子供に多い 水いぼ。
正式には伝染性軟属(←本当はやまいだれがつく)腫。
伝染性なので 基本的には接触したりプールだったりで どの子にもうつるのだけれど
アトピーの子が好きみたいで 肌にうるおいのない子供がなりやすい。
治療は とにかく つまんで取ってしまうのが一番。
軟膏を塗って済む場合も ないわけではないが そうこうしてるうちに 大量に増えてしまう場合が多い。
だいたいにして これだけ医療が進んでいるというのに 水いぼに関しては
一個一個 ピンセットで いちいち つまんで 取っていくのだ。
で また これが 相当 痛い。
痛いもんだから 子供(大概、1歳~小学校低学年)は 全身で抵抗してくるので こっちは子供の体の抑えつけをする。
力の強い子や暴れる子は 私がベッドにあがって 子供の膝に乗っかることもしばしば。
(重くてごめんね・・・)
肩を抑えたり 骨盤を抑えたり とにかく関節という関節を抑えて 動かないようにする。
しっかり抑えないと ピンセットを持つ手元がズレるため 時間ばっかりかかる。
小学生も中学年くらいになると 抑えたワタシの腕がだるくなる。
子供相手に 肉体労働だ。
「いたいー もうやめてー もうやだー ぎゃああああ」
診察室に響き渡る。
否応なしに 待合室にも聞こえるので 一体、診察室では何をやってるの? って顔の
患者さん方々。
だから 水いぼになった子どもをもった 親御さんだと たとえ 一個見つけただけでも
診察に訪れる。
それが 賢い。
ま、自分の子供がギャーギャー泣き叫べば 親御さんとしては心中穏やかではないわけで
時として 涙ぐんで子供の抑えつけに手を貸せない方もいる。
と思えば、「あと3個! 頑張って あと一個!」 と抑えながらも 励ます親御さんもいるし
お父さんとお母さんの違いもある。
親子関係と言いますか 子育ての姿勢といいますか それが見え隠れして
それはそれで 別の意味で 面白く拝見させていただいちゃったりして。
で、言葉での秘策がある。
「いぼ人間になっちゃうよ」
この一言で たいていの子供は取らなきゃダメだとあきらめる。 おとなしくなる。
「いぼ人間」 この言葉から 子供たちはどんな人間を想像してるのかを
すっごく すっごく 知りたいと思っているのだが 今度 絵でも描いてもらおうか・・・。
そして 男の子には 「いぼいっぱいあると かっこ悪いんじゃない?」
女の子には 「かわいくないかも~」
これで 9割はイケる。 子供なりに性差があって面白い。
残り1割は 何を言われようが なにをどうしようが なんとしても 絶対絶対嫌な子。
(スピ1の子供に多いのが 興味深い)
もちろん 取った後は ベタベタほめる。
男の子には「強い。かっこいい。さすがお兄ちゃんだぁ~~。」
女の子には「取れてよかったね~。 きれいな手・足(取った部位)になったねー」
この手で はい。次も来てくれますし 子供は積極的に取らせてくれます。
ほんとはとってもとってもイヤなんだけど 頑張ってくれます。
なんてかわいいんだ なんて素直なんだ 子供って!!!